中今〇ノ丞の「まあるく生きる」

人生をどう生きたらいいのか、一緒に考えよう

憲法を一から学び直そう ⑤ 「民のかまど」

 

f:id:nakaimamarunosuke:20200627001817j:plain


 

みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。

 

前回の記事の続きです。

   

それでは、いよいよ憲法第一条を読んでみましょう。

 

『第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴で

あって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく』

 

 

さて、ここで有名な新古今和歌集707の和歌「民のかまど」

をご紹介いたします。

みなさんもご存じだとは思いますが・・・

 

「高き屋に のぼりて見れば 煙(けぶり)立つ 

民のかまどは にぎはひにけり」

 

なぜ、この和歌をご紹介したかといいますと、古代は天皇が政治と

祭祀を司っていたという歴史があります。

 

政 まつりごと (国内の政治を行う)

祭 まつりごと (祭祀を行う)

 

両方をそう読んでいました。

日本国の象徴である、天皇の歴史において、それこそ象徴的なエピソード

といえば、この「民のかまど」の話しであるといえましょう。

 

f:id:nakaimamarunosuke:20200627231649j:plain

 

●「民のかまど」とは

 

古事記より~

天皇は高い山に登って四方の国を見て「国の中に煙が経っていないのは、国が

貧しいからだ。今から三年間人民の税負担を免除せよ」と命じた。そのため

宮殿は壊れて雨漏りがしても修理せず、箱で雨水を受けるし、雨漏りして

いないところに移ったりしていた。

 

続きはー『日本書紀』から

その後、気候が順調で五穀豊穣。三年間で民衆は豊かになり、徳を称える声

が満ち溢れて、炊事の煙ももくもくあがった。

 

さて、天皇が高台にいて遠くを望むと、煙が盛んにあがっている。その日

天皇は皇后に語った。

 

天皇「私は豊かだ。憂い事はない」

皇后「どこが豊かでしょうか」

天皇「煙が国に満ちている。人民が富んでいる」

皇后「でも宮の垣は壊れて修理もできない。屋根は破れて衣服が濡れます。

どうして豊かといえましょう?」

天皇「天が君主を立てるのは人民のためだ。だから君主は人民を本とする

のだ。ということで、昔の聖王は人民が一人でも飢え凍えていたら、わが身

を責めたのだ。

今人民が貧しいのは私が貧しいことであり、人民が富んでいるのは私が

富んでいるということである。未だかつて、人民が富んでいて君主が

貧しいということはない」と仰せになりました。

 

 

以上、仁徳天皇は三年間の租税免除を通して、人民を救おうとされました。

でもご自身の宮殿はボロボロとなり、国庫も空の状態でした。

 

以前に上げました記事の中で、西洋の君主・国王と日本の天皇の違いについて

書きましたが、ここなのです。

 

歴代天皇は、疫病が流行ったり、飢饉となると「責めはわれ一人にあり」

として、ご自身の不徳のなさを神々に詫び、そして神々に民が救われる

ように祈りを捧げられてきたのです。

 

これが、日本の政治の原点であり、日本国の象徴的な姿であるといえる

と思います。これこそ、日本国を統合し、天皇と国民をつなげている

ものであるともいえるでしょう。

 

 

www.nakaimamarunosuke.com