みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
かなり間が空いてしまいましたが、久しぶりに宮大工・西岡常一
さんの記事の続きを書きたいと思います。
最後の宮大工と言われた「西岡常一」さんの著書
「宮大工棟梁・西岡常一 口伝の重み」
の4回目になります。
(法隆寺)
~続き~
見習い期間を経て宮繕大工として一本立した西岡さん。
ある夜、祖父から「家訓」を伝えられる。
正座をして、法隆寺の棟梁に代々受け継がれてきた「口伝」
であった。
ー仏法を知らずして堂塔伽藍を論ずべからずー
―天神地祇を拝さずして宮を口にすべからずー
ー法隆寺大工は太子の本流たる誇りをもてー
ー伽藍造営には四神相応の地を選べー
解説:宮大工として、仏教の教えを勉強された西岡さん。
それを理解していることが一番大事なんですよね。
天皇家というのは天照大神の子孫ですので、神事でも八百万の神々に
感謝し、そしてまた常に神事を先とすることを、代々引き継がれています。
例えば有職故事である「禁秘抄」にも「神事を先とすること」と書かれて
あります。
「天神地祇」とは天の神様・地の神様の事で、これらの八百万の神々に
対して尊崇する心でないと、宮(神社)を建てる資格はない、という
ことなのでしょう。
ただ宮大工の技術だけではなくて、このような「心構え」すなわち
「魂」から理解していなければ本物の神社仏閣は建てることはできない、という
ことを、西岡さんは受け継いでいたのでした。
(西岡常一さん)