みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
今回は「ブッタのことば」(中村元訳)から学んでみたいと思います。
848「どのように見、どのような戒律をたもつ人が『安らかである』
と言われるのか?ゴーダマ(ブッタ)よ。おたずねしますが、その最上の
人のことを私に説いてください」
849 師は答えた、「死ぬよりも前に妄執を離れ、過去にこだわることなく、
現在においてもくよくよと思いをめぐらすことがないならば、かれは(未来に
関しても)特に思いわずらうことがない」
850 かの聖者は、怒らず、おののかず、誇らず、あとで後悔するような
悪い行いをなさず、よく思慮して語り、そわそわすることなく、ことばを
慎む。
〇ノ丞:日々過して行く中で、ふと過去の映像やその時の感情が湧いてくる
ときが誰しもあるかと思います。ブッタはそういった過去にとらわれるな、
と説いておられ、過ぎ去った事はどうすることもできないのであるから、
たとえ思い出したとしても、そこから学んで行動を改めて、今後に生かすよう
にすればいいのであって、それ以上過去の事は必要ないものなのかもしれま
せんね。
ブッタの説かれる説法というのは、心のあり方を説いているものが多いの
ですが、それらはブッタご自身の体験を通して語られていて、難しい用語
などは用いておられません。
その理由としては、二千五百年前のインドでは、カースト制度が厳しく、
また説法を聞く聴衆の中には無学文盲の人達が多かったので、ブッタは
例えを多く使って、無学の人達にもわかるように、仏の道を説かれること
が多かったことが挙げられます。