みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
「二宮翁夜話」の4回目になります。
引き続き文語体のややムズカシイ文章になりますが、そのまま書いてみます。
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「翁曰、大事をなさんと欲(ほっ)せば、小(ちい)さなる事を、怠らず勤むべし、
小積(つも)りて大となればなり、凡小人の常、大なること欲して、小(ちい)さ
なる事を怠り、出来難き事を憂(うれ)ひて、出来易(やす)き事を勤めず、
夫故(それゆえ)、終(しまい)に、大なる事をなす事あたはず、夫大は小の
積んで大となる事を知らぬ故(ゆえ)なり、
譬(たとえ)ば百萬石の米と雖(いえど)も、粒の大なるにあらず、萬町の田を
耕すも、其(その)業(わざ)は一鍬(くわ)づつの功にあり、千里の道も
一歩づつ一歩づつ歩みて至る、山を作るも一つと篑(もっこ)の土よりなる事を
明かに辯へて、励精(れいせい)小さなる事を勤めば、大なる事必(かならず)
なるべし、小さなる事を忽(ゆるがせ)にする者、大なる事は必出来ぬものなり」
〇ノ丞解説:要は横山きよし師匠の「小さなことからコツコツと」ということ
でしょうか・・・。
自分の欲しい物が例えば何百万円もするものだとして、自分の手元の貯金は
数十万円しかないとすれば、働いて時間をかけて貯金するか、もしくは他の
安いものに変えるしか手はありません。
その道理がわからない人は、自分の置かれた今の状況を考えずに感情が突っ走って
しまい、結果いつも「お金がない」とか「失敗した」という結果になります。
このあたりも「分度」ということが関わっていますが、例えばローンについても
同じ事が言えるのではないでしょうか。
現在の新型コロナウィルスの影響でローンの支払いに難をきたしている方が増えて
いるかと思われますが、やはり世の中は景気が良い時と悪い時が必ずやってくること
を予測して、ローンの返済計画を立てないと、単純な割り算では後々後悔することも
出てきます。
まあ、公務員などは景気に関係ないのですが・・・
一般の民間企業に勤めておられる方は、順調のように見えても一歩世の中の流れに
外れてしまうと「倒産・廃業」という危機が背中合わせである、そして明日の
利益が必ず保証される、というものの考え方は通用しなくなっている時代に
きているのでは、とも思います。