中今〇ノ丞の「まあるく生きる」

人生をどう生きたらいいのか、一緒に考えよう

内掌典に生涯を捧げた宮中女官  高谷朝子さん 4 内掌典の日々は神様とともに

 

みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。

 

前回に引き続き、宮中祭祀を司る掌典職内掌典(ないしょうてん)として、

1943年から2001年まで57年間も皇室に仕えられた「高谷朝子」

さんのご紹介です(高谷さんは2018年に既に亡くなられています)。

 

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(出典:宮中賢所物語)

 

 

この内掌典とは、皇居内にある宮中三殿賢所皇霊殿、神殿)という、

皇居の中でももっとも神聖な場所・賢所(けんしょ・正式にはかしこどころと読む)

の御用を勤められる女性のことです。

 

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高谷さん「内掌典の仕事は、日々御殿をお護り申し上げることにございます。 

常に身を清めて素直な気持ちを保ち、いつも神様がお側においであそばします

 気持ちで、お仕え申し上げますようにと、上のお方様から教えられてござい

ました。

毎朝早くに、若い内掌典は、まず御三殿お正面の御扉をお開け申し上げ、御殿

の御床を掃き、時に応じてお拭き申し上げ、清めさせていただきます。

御内陣の御用を申し上げます上席の内掌典は、その間に髪を整え、仕舞(化粧)

をすませてお湯」をかかり身を清め、衣服を正して御殿に上がります」

 

「御内陣は御殿の最奥にあり、神様を御祭り申し上げてございます。

ここに上がらせていただきますには、髪を「おさえ(前から見ると「おす

べらかし」のような髪型で、後ろは巻き上げます。ただし年を重ねまして

からは「ときさげ」に致します)に整え、大清(おおぎよ)と申します

清い装束を着けます」

 

「私どもは御前に座し、邪心を持たずただ謹みて、両陛下、東宮様(皇太子

殿下)はじめ、宮様方御一方様の御機嫌よう、万々年までも幾久しゅう、

御寿命御長久さんに御繁栄さんであらせられますようにとの思いで御奉仕

させていただきます」

 

 

 

〇ノ丞解説:神道では「清浄」をもっとも尊び、「不浄」を忌み嫌います。

ましてや最高神の「天照大神」が祀られている賢所では、最も清浄な行いが

求められます。

そして、すぐ近くに天皇陛下がお住まいになり、日々天照大神に祈りを

捧げられておられる場所ゆえに、内掌典としての立ち居振る舞いや作法は当然

厳格なものとなります。

 

それは一般の神社の神職の非ではなく、24時間・365日続いていくのです。

 

でも・・・

 

後々また記述していいきますが、そのような傍から見たらいかにも窮屈で、

がんじがらめな日常に見えるのですが、当の高谷さんは「とても幸せな日々で

ございました」と回想しておられるのです。

 

私が思うに、日々御奉仕をされる中で、神様からのエネルギーをいただき、神様

とのつながりを感じておられるからこその、「幸せな日々」であったのかもしれま

せんね・・・

 

 

 

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  ~5に続く~

 

 

 

 

 

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