みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
総裁選真っ只中の高市候補が、先日9月15日に出版されたのが、
「美しく、強く、成長する国へ」
(私の日本経済強靭化計画)
こちらの本には、高市候補が実現したいと考える政策が最初から最後までギッシリ
と書かれており、またその分野も多岐に渡ります。
その一つ一つの政策課題も、数字や専門用語がズラリと並び、興味のない方
にとってはかなり難しく、読みづらいもの。
その辺りを正確に書いてもつまらなくて、あまり意味もなさそうなので、
今回からこれらの中身を、ポイントに絞って簡単に、ご紹介していきたいと
思います。
P52「安定的な電力供給体制の構築」から
「内閣が2021年10月に閣議決定を目指す【第6次エネルギー基本計画】
(素案)では、2030年度の電源構成は、再生可能エネルギーを36~38%
としており、その中でも太陽光と風力が主力とされているが、いずれも「可変動
電源(季節や時間帯で発電量が変動する電源電力供給量を調整しなければなら
ない。」
「私は地球温暖化対策と日本の経済基盤整備を両立させるためには、再生可能
エネルギーのさらなる導入に加えて、原子力の平和利用は必要だと考える」
「遅くとも2035年までには実用化されると考える「核融合炉」だ。
(中略)核融合炉は寿命が短い廃棄物が生じるだけで、高レベル放射性廃棄物
も出ない。核融合炉に必要なのは、水素の二つの同位体である重水素とトリチウム
だけで、これらは海中からえられる無尽蔵の燃料だ」
〇ノ丞解説:高市候補のおっしゃる「再生可能エネルギーと原子力」の二つが
必要ということですが、エネルギー供給に関しては「ベストミックス」すなわち
一つの選択肢だけでなく、あらゆる事態を想定して、色々な資源・エネルギー
を複数使用することが大事です。
例えば中東情勢が大変な事態になったとき、シーレーンが封鎖されれば石油が
日本に入ってこなくなる可能性があります。
また再生可能エネルギーだけに絞ってしまうと、日本のモノづくりである旋盤
でのネジを作る場合、電圧が一定であることが必須条件になります。
日本の電力供給の一番の強みは電圧が一定であるからこそ、高精度のネジを
作ることができ、それが日本で作られる部品が高い精度を誇っている大事な
要素になっているからです。
再生可能エネルギーでは、その電圧が不安定になる可能性を指摘されているので、
新しい技術の核融合炉について触れられているわけです。
高精度のネジを作るためには、工作機械での加工においては、回転数と
刃物の位置が大事になってきます。電圧が一定であれば、機械の回転数も
刃物の位置決めも同じになるので、加工できます。
高精度のねじ切りは、少しづずつ何度も何度も繰り返し削って加工していきますので
、この電圧が一定という要素はとても大事なんです。
私が不断、実際にねじ切りなどのモノづくりの仕事を現場でしていますので、実体験
していますので、よくわかります。
この当たり前ともいえる事柄でも、他の外国ではなかなか実現できていない
ようです。当の日本人がその恩恵を受けていることを、あまり自覚していない
のですよね。
さて、上記の高市候補の政策に対して、総裁選における高市候補の推薦人である、
同じ自民党の青山繫晴参議院議員は、原発の専門家として、ブログでこう意見し
ています。
以下青山繫晴ブログ「On the Road」より抜粋~
【推敲し、書き加えました】 現場で見て聴いた、総裁選4候補の立ち会い演説会、その正直な感想はこうです
(中略)
もうひとつ、「2030年代に小型核融合炉」といつも強調されることです。
ぼくは南フランスの核融合炉 ( 実験炉 ) の組み立て現場にも行っていますが、周知の通り、巨大なものです。
核融合炉の小型版は、MIT ( マサチューセッツ工科大学 ) などが可能性を提示していますが、できると、言い切れる現状にありません。
実は、高市さんのこの主張には、原子力工学の専門家からぼくに幾つも問い合わせが来ています。
さらに9月17日の立ち合い演説会のあと、高市候補の支持者の閣僚経験者からも「あの部分は、どうなんでしょうか」という問い合わせがありました。
あくまで高市候補は、希望と可能性を語られていると思います。
ただ、ぼく自身が一番気になるのは、核融合炉が国産で実用化される見通しが、すくなくとも今のところは無いことです。
前述の南フランスのITER ( 国際熱核融合実験炉 ) プロジェクトにしても、多国籍で、中国や韓国も入っています。
高市候補の真意は、国産の安定エネルギーの確保だと思いますから、新しい原子炉を言うなら小型高速炉、高温ガス炉の方が国産で実用化される可能性があります。
〇ノ丞解説:
青山繫晴参議院議員は、まだ民間の専門家だった時に、あの福島第一原発の事故
直後に、専門家の中でただ一人実際に福島第一原発の中に入り、その時の映像を
自身で撮影し、それを無償で各マスコミに提供された方です。
もちろん吉田所長とも長時間インタビューされています。
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他の原発の専門家達は、みな遠くへ逃げてしまったそうで、結局専門家の中では、
事故直後の屋内の原発の様子を知るのは青山さんだけです。
この辺りは、また別の機会に記事を書きたいと思います。