みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
今回は久しぶりに音楽の記事です。
現代音楽の作曲家である武満徹さんは、もう亡くなられて26年近く経ちます。
クラシック音楽を専門にやっておられる方しか、あまり知られていない方で
あろうと思いますが、そのクラシック界では超有名な方で、小澤征爾さんと
とともに世界で通用する音楽家として、世界では名の知れた日本人の音楽家です。
※さらに詳しくはこちらをどうぞ
武満さんが編曲した「さくら」。
日本人にはお馴染みの歌ですが、武満さんの手にかかると、何にもない平凡な
歌の旋律が、まるで映像を見るように、まさに咲き乱れ、散りゆく桜のその姿が
頭に映像として浮かんでくるようです。
そう、繊細で情緒あふれる、日本人独特「わび・さび」の感性がそこかしこに
ちりばめられてもいます。
私は実際に、もうかなり前になりますが、この武満さんの「さくら」を
合唱団で歌ったことがあります。
そこには西洋的なハーモニーだけではない、例えば2度でぶつかる音(西洋的には
add9アドナインスともいいます)があったりして、アマチュアには音をとるのが
非常に難しいつくりになっており、かなりの練習を必要とする楽曲でした。
しかも無伴奏なので、音を取るのがさらに難しい・・・
が、その難しい編曲の効果は、音がまさに空間をさまよう「さくら」のように、
集合と離散、芽吹きと散り際という、その様を見事に表しています。
また日本人にはわかる、という音がまとわりつくかのように旋律に色どりを添え
ているのも、「さすが」の一言です。
明治期に日本の工芸品が万国博覧会に出展された際、その完成度と技術の
高さに世界が驚愕しましたが、音の世界でも、日本には卓越した技術と
感性を持つ音楽家がいる、ということに対して、もっと評価され、その
音楽を聴くことができることに感謝したいですね。
まあ、時期外れの投稿にはなりますが、日本にもこのような素晴らしい作曲家
がいたんだ、ということをこの記事で知ってもらえればと思います。