中今〇ノ丞の「まあるく生きる」

人生をどう生きたらいいのか、一緒に考えよう

職人のことば ① 「いい若い者が、企業利益だとか、利益追求とか・・・」後編



みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。

 

『職人のことば』前回からの続きです。

 

 

 

小関智弘

「現場で生まれた100のことば」

 

 

 

「いい若い者が、企業利益だとか、利益追求とかいう

ことばをふりかざしているのを聞くと、ヘドが出るほど

嫌だねえ」

ひとり工場主(あるじ) 森山さん 機械部品製造 大田区

 

 

 

〇ノ丞:

 

この言葉の真意というのは、

「まず腕をみがけ」

の一言になるのではないかと思います。

 

 

 

私が思うに

「言いたいことはわかるが、その前に人様に役に立つだけの技術を持て。

そこまでいくには時間がかかる。そして数々の困難があるし、ひょと

したら会社自体が倒産して無くなっているかもしれない。それぐらい

技術をもつということは大事なのだ」と。

 

 

町工場などの小規模企業であれば、親会社などの取引先がもし業績不振に

陥った場合、即仕事が来なくなってしまいます。

 

 

そういったときに、自社の独自の技術力がないとひとたまりもありません。

 

 

もちろん技術だけではなくて、日頃からの営業も大切な要因ですが、小規模企業でも

家族でやっているような工場である場合、営業にまで手が回らない、なんていう所も

あります。

 

 

仕事が不況などによって少なくなった、あるいは無くなったときを数多く

経験してきた「ひとり工場主(あるじ)」だからこそ、

「いい若い者が、企業利益だとか・・・」

になるわけです。

 

 

 

 

とはいえ、職人が自分の技術や腕を過信して、自分を過大評価することもある

でしょう。

勘違いして己惚れたり、偏屈な人間になることもあるでしょう。

 

 

人間は、色んな人、色んな性格を持つし、技術が凄いからといって、

生涯安泰!というわけにはいかない。

 

 

ただ、例えば芸術の世界においても、売れなければ、例えば曲の入ったCDを

客に買ってもらえなければ、またライブのチケットを買ってくれなければ、

音楽で生活しようと思ってもできませんよね。

 

 

でも、その大前提とし、絵を描くにしても、音楽をやるにしても、ある程度の

歌唱力や曲のクォリティーが高くないと、誰も見向きもしないでしょう。

 

 

「買ってくれる人がいて、初めて商売が成り立つ」

 

 

ある一定のレベルに達してから、利益や企業利益を考えることも

遅くはないのではないでしょうか。

そのレベルが、果たして10年かかるのか、20年かかるのか・・・

 

 

 

職人のことばには、表面上のニュアンスだけではない、経験からくるとこ

ろの「奥」があり、そこを読み取っていける人が、結局は生き残っていける

のではないか、とそう私は思うのです。

 

 

 

 

 

www.nakaimamarunosuke.com

 

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