みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
「二宮翁夜話」の5回目になります。
引き続き文語体のややムズカシイ文章になりますが、そのまま書いてみます。
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「汝賣買(ばいばい)をなすとも必金を設(もうけ)んなどと思ふべからず、
只(ただ)商道の本意を勤めよ、商人たる者、商道の本意を忘るる時は、
眼前は利を得るとも詰(つま)り滅亡を招くべし、能(よく)商道の本意
耻を守りて勉強せば、財寶(ざいほう)は求(もとめ)ずとも集(あつま)
り、富榮(ふえい)繁盛量(はか)るべからず、必ず忘るる事なかれ」
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「~されば人たる者は、他の為に押すの道あり、然(しか)るを、我が
身の方に手を向け、我為に取る而巳(のみ)を勤めて、先の方に手を
向けて、他の為に押す事を忘るるは、人にして人にあらず、則(すなわ)
禽獣(きんじゅう)なり豈(あに)耻(はづ)かしからざんや、只
耻かしきのみならず、天理に違(たが)ふが故(ゆえ)に終(つい)に
滅亡す、故に我常に奪うに益なく譲(ゆづ)るに益あり、譲るに益あり
奪うに益なし、是則(これすなわち)天理なりと教ふ、能能(よくよく)
玩味(がんみ)すべし」
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「~商法も叉同じ、己の利欲のみを専(もっぱら)として、買人の為(ため)
を思はず、猥(みだ)りに貪り(むさぼ)らば、其店(そのみせ)の衰微(
すいび)、眼前なるべし」
〇ノ丞:商道の本意について、二宮尊徳翁は説いておられます。
「自分だけ儲けたい」という考えを戒めておられますね。
商売といっても、つきつめていくと、そこは「人対人」。
物を売る時に、相手に嫌な思いや不快感をさせては、「こんな店に二度と来るか!」
となってしまいます。
みなさんも日常で経験ありませんか?
どうせ買うのだったら、気持ちの店、そして接客態度の良い人から買った方が
気分が良いですよね?
せっかく大事なお金と時間を使っているのに、わざわざ気に食わない人から買う
人なんていませんよね。
だからこそ「相手(客)の気持ち」がわからないと、商売も難しいのでしょう。
自分の我欲を出しては、すぐ人は離れていってしまいますね。
これは何にでも当てはまることと言えるのではないでしょうか?
このブログ運営にしても、つきつめれば結局「人対人」だと私は思います。
読者になる、スターを付けてくれる、コメントを書いてくださる。
その時々の相手の気持ちを汲み取れないと、いつしか「独りよがり」なブログに
なってしまうのではないか、とそう思います。
「謙虚」「感謝」の気持ちが薄れていけばいくほど、人は離れていってしまう、
と私は思っています。