みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
「二宮翁夜話」から学んでみたいと思います。
今回は倹約について書かれた箇所を拾ってみましょうか。
文語体のややムズカシイ文章になりますが、そのまま書いてみます。
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「世の中に事なひといへども、變(へん)なき事あたわず、是恐るべきの第一なり、
變ありといへども、是を補ふの道あれば、變なきがごとし、變ありて是を補ふ
事あたはざれば、大變に至る、古語に三年の貯蓄なければ、国にあらずと云い、
~中略~
家も叉然り、夫萬(よろず)の事有余無ければ、必差支え出来て家を保つ事
能はず、然るをいはんや、国天下をや、人は云う我が教え、倹約を専(もっぱ)
らにすと、倹約を専らとするにあらず、變に備(そなへ)んが為なり」
~中略~
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「翁曰多く稼いで、銭を少なく遣(つか)ひ、多く薪(たきぎ)を取って
焚く事は少なくする、是を富国の大本、富国の達道といふ」
~中略~
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「翁曰、米は多く蔵につんで少しずつ焚き、薪は多く小屋に積んで焚くこと
は成る丈少なくし、衣服は着らるるように拵(こしら)えて、なる丈、着ず
して仕舞ひおくこそ家を富すの術(すべ)なれ、則(すなわち)国家経済
の根元なり、天下を富有にするの大道、其實この外(ほか)にあらぬなり」
〇ノ丞)解説:二宮尊徳(金次郎)というと、勤勉・勉学・倹約といったこと
が有名かもしれませんが、上記の文を読んでみると、要は
「時代には必ず景気が良い時と悪い時が繰り返し訪れる。
その理(ことわり)りを知って、貯蓄したり、米や食料を備蓄したり
しなければ、もしもの時に対応できないよ」
ということですよね。
だから、日頃から節約・倹約する必要があるのだ、と。
天候が不順だったり、災害が起こったり、人間の力ではどうにもできない
のが自然の力。
また現に、いま新型コロナウィルスにより、不景気となり、飲食店や観光業が
成り立たなくなってきたり、また企業でも倒産・廃業が増えてきて、大変な世の
中となっておりますね。
これも、人間には予想がつかない事柄です。
「備えあれば憂いなし」
いまさらながら、江戸時代の二宮尊徳翁の知恵を取り入れて、生き方
を見直してみることも、いま必要なのかもしれません。