(出典:国史絵画)
みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。
神武天皇が故郷の日向を出発して、近畿地方の大和にて最初の天皇
として即位するまでの物語の6回目です。
<前回の続きから>
命の一行は船旅のつかれもとれたので、豊前(ぶぜん)の国から川ぞいを歩き
山をこえて筑前(ちくぜん)の国にすすみました。
日向からひきいてきた船団は、荒波にもまれていたんだところを修理したり
するために、命とは別に海路で崗水門(おかのみなと)へまわることに
なりました。
海沿いに中津に入り、山国川をさかのぼり耶馬渓(やばけい)にわけいりました。
しだいにけわしい山道をよじのぼり、くだりして英彦(えひこ)山の北のふもと
をまわり、すすみます。きつねやたぬき、さる、うさぎ、いのししと様々な
けものに出会いました。
神武山(神山・帝王山)の頂上に立たれて、五瀬命(いつせのみこと)、伊波
礼比古命は四方の地勢(ちせい)や住民の様子をごらんになりました。
ここで、天神(あまつかみ)を祀られて筑紫の国の平安と行路のぶじを祈られ
ました。このときです。
「筑紫島は邇邇芸命(ににぎのみこと)が天(あま)くだられた本土である。
今、兵をひきいて中州(なかつくに・本州)をたいらげて、みやこをその地に
定めようとする。それはとてもよろこばしいことである。
しかし、筑紫の住民が悪者に苦しめられたり、貧しいくらしをしているのを
そのままにして、すぐに東にむかってゆくようなことでれば、事は成功しない
であろう。
まず筑紫の国を静かに豊かにして、そのあとで東行してもおそくはない」
と天照大神のお告げがありました。
(出典:「歴史人」より」